魚座鉱脈
いろいろ雑多な二次創作小説サイト
TOP
BLOG
HOME
表示中のカテゴリに限定して検索
たとえばこんな世にも奇妙な物語
[
1
件]
#6 デカオ&ケロさん救出
その直後。
「キャアーーーーッ!! また出たぁあーーーー!!」
女性の悲鳴が、轟いた。
『熱斗君、この悲鳴は……!?』
「……ケロさんだ!!」
熱斗が叫んだ。
『ロールちゃん、今の悲鳴がした場所どこかわかる?』
『ちょっと待ってロック。 今サーチしているから。
…………………………………検索終了!
ここから左に曲がった200メートル先、右の部屋に生体反応が4つ!』
「わかった!!」
ロールの声を聞いて、真っ先に熱斗が駆け出していく。メイルとやいとも、慌てて後を追う。
バターーーーンン!!!
「ケロさんっ!!」
熱斗は、目的の部屋のドアを思いっきり開いた。
そこで見たものは……。
「あ、あ…………あわわ…………」
「た……助けてぇ…………」
「ひええええ、お、俺を食べないでくれぇ!!」
部屋の隅で、カエルを模した帽子を被りマイクを持った女性――緑川ケロと、TVカメラを抱えた屈強な男性二人とメガネをかけた若い女性一人。そして、右足首に怪我をしたデカオが頭を抱えてうずくまっていた。
…………ウフフフ……キャハハハ…………アヒャヒャヒャ……
彼らの周りを取り囲んで、アンティークのフランス人形が十数体、奇怪な笑い声をあげながらぐるぐる飛び交っているという、なんとも奇怪で現実的にありえない光景が熱斗たちの目の前に繰り広げられていた。
「デカオッ!大丈夫か!?」
「ね、熱斗っ!?」
熱斗の呼びかけに、半べそ状態のデカオが顔を上げる。
「ああっ、ごらんください! 我々のピンチに今っ、光熱斗少年が助けに来ましたぁーーー! これぞまさしく天の助けですっっ!!」
ケロさんも、熱斗の姿を確認するや表情が明るくなる。
こんな状況にでも、しっかりカメラに向かって実況しているところはさすがプロというべきか。
「今助けてやるからなっ!」
熱斗は傍においてある椅子を逆さにして持ち上げ、人形めがけてぶん回す。
バシィィッ! ガシャン!! バシィィッ! ガシャン!!
次々と人形が椅子で叩きつけられ、床に落ちていく。
熱斗が人形を全て倒したのは、およそ5分かかったのだろうか。
「あ、ありがとう。助かったよ、熱斗ぉ…………」
安心したデカオが目を潤ませる。
『うわぁぁん、デカオさまぁああ!! 助かってよかったでガスーーーー!!!』
デカオのPETの中で、ガッツマンもなりふり構わずおいおい男泣きしている。
「この怪我、一体どうしたの?」
メイルがハンカチを包帯代わりにして、怪我の手当てをしながら問いかける。
「……俺、心霊写真が取れる場所を探してこの部屋に入ったら、急にお化けが出てきて追いかけられたんだ」
デカオが、手にしている壊れた旧式のカメラを見つめる。
恐らくお化け(の立体映像)に追いかけられているときに、何かのはずみで壊れてしまっただろう。
「お化けから逃げている時に、うっかりそこの穴に落ちちまって……穴の中が深くて、抜け出すことができなかったんだよ……」
指差した先の床に、踏み抜いてできた穴の跡があった。
穴の中を覗いてみると、なるほど子供の手が地上に届かないほど、かなり深いものであった。
「長いこと助けを待っていたら、そこへケロさんたちがやってきて、俺を穴の中から助け出してくれたんだ」
「デカオくんを助けて、この部屋から出ようとしたら、さっきのお人形たちに襲われたってわけだったのよ」
「そうだったのか…………」
デカオとケロさんの説明を聞いて、熱斗は納得してうなずく。
「まったく、アンタって人はどこまで人騒がせなのよ。……ま、無事で何よりだけどね」
「めんぼくねぇ…………」
やいとの言葉に、デカオがすまなそうにうなだれる。
「! 熱斗、これをみて」
手当てを終えたメイルが、床に落ちて壊れた人形を指差す。
粉々になった人形の頭の中から、あの超小型ドローンとよく似た形の装置が転がり落ちていた。
『この受信装置で、こいつを動かしていたんだね』
「うん、そしてこいつを遠隔操作で動かしている奴がこの家のどこかにいるんだな?」
熱斗とロックマンが画面越しにうなずきあう。
「あのう…………」
メガネの女性が、熱斗におずおずと話しかける。おそらくケロさんたちを探しにいったスタッフとは彼女のことであろう。
「……私、さっき西側の一番奥の部屋で妙なものを見かけましたけど……」
「え、それ本当?」
「は、はい…………暖炉の上になんか大きな箱が置いてあって、赤いランプがチカチカ光っていたんです。
その時はラジオかなんかだと思って、その部屋を出たのですが……」
『たぶん、それは無線LAN装置の本体だね』
女性の証言にロックマンがつぶやく。
「よし、そこへ行ってみよう!」
熱斗は立ち上がって、部屋のドアへ向かう。
「あっ、熱斗! 何処へ行くの?」
メイルが叫んだ。
「メイル、やいと。お前らはデカオとケロさんたちを連れて、先にこの家から出ろ」
「熱斗はどうするつもりなの?」
「俺は、こんなふざけた騒ぎを起こした奴をつきとめにいく。頼んだぜ、メイル」
「熱斗…………あんまり無茶しないでね」
「ああ、わかってるよ。 いくぜ、ロックマン!」
『うんっ!』
そういうなり、熱斗は部屋を勢いよく飛び出していった。
#ロックマンエグゼ
#ロックマンシリーズ
#5 奇怪怪々 怪奇現象!
|
目次
|
#7 《幻影の魔王》の挑戦!
たとえばこんな世にも奇妙な物語
2025.3.12
戻る
TOPに戻る
その直後。
「キャアーーーーッ!! また出たぁあーーーー!!」
女性の悲鳴が、轟いた。
『熱斗君、この悲鳴は……!?』
「……ケロさんだ!!」
熱斗が叫んだ。
『ロールちゃん、今の悲鳴がした場所どこかわかる?』
『ちょっと待ってロック。 今サーチしているから。
…………………………………検索終了!
ここから左に曲がった200メートル先、右の部屋に生体反応が4つ!』
「わかった!!」
ロールの声を聞いて、真っ先に熱斗が駆け出していく。メイルとやいとも、慌てて後を追う。
バターーーーンン!!!
「ケロさんっ!!」
熱斗は、目的の部屋のドアを思いっきり開いた。
そこで見たものは……。
「あ、あ…………あわわ…………」
「た……助けてぇ…………」
「ひええええ、お、俺を食べないでくれぇ!!」
部屋の隅で、カエルを模した帽子を被りマイクを持った女性――緑川ケロと、TVカメラを抱えた屈強な男性二人とメガネをかけた若い女性一人。そして、右足首に怪我をしたデカオが頭を抱えてうずくまっていた。
…………ウフフフ……キャハハハ…………アヒャヒャヒャ……
彼らの周りを取り囲んで、アンティークのフランス人形が十数体、奇怪な笑い声をあげながらぐるぐる飛び交っているという、なんとも奇怪で現実的にありえない光景が熱斗たちの目の前に繰り広げられていた。
「デカオッ!大丈夫か!?」
「ね、熱斗っ!?」
熱斗の呼びかけに、半べそ状態のデカオが顔を上げる。
「ああっ、ごらんください! 我々のピンチに今っ、光熱斗少年が助けに来ましたぁーーー! これぞまさしく天の助けですっっ!!」
ケロさんも、熱斗の姿を確認するや表情が明るくなる。
こんな状況にでも、しっかりカメラに向かって実況しているところはさすがプロというべきか。
「今助けてやるからなっ!」
熱斗は傍においてある椅子を逆さにして持ち上げ、人形めがけてぶん回す。
バシィィッ! ガシャン!! バシィィッ! ガシャン!!
次々と人形が椅子で叩きつけられ、床に落ちていく。
熱斗が人形を全て倒したのは、およそ5分かかったのだろうか。
「あ、ありがとう。助かったよ、熱斗ぉ…………」
安心したデカオが目を潤ませる。
『うわぁぁん、デカオさまぁああ!! 助かってよかったでガスーーーー!!!』
デカオのPETの中で、ガッツマンもなりふり構わずおいおい男泣きしている。
「この怪我、一体どうしたの?」
メイルがハンカチを包帯代わりにして、怪我の手当てをしながら問いかける。
「……俺、心霊写真が取れる場所を探してこの部屋に入ったら、急にお化けが出てきて追いかけられたんだ」
デカオが、手にしている壊れた旧式のカメラを見つめる。
恐らくお化け(の立体映像)に追いかけられているときに、何かのはずみで壊れてしまっただろう。
「お化けから逃げている時に、うっかりそこの穴に落ちちまって……穴の中が深くて、抜け出すことができなかったんだよ……」
指差した先の床に、踏み抜いてできた穴の跡があった。
穴の中を覗いてみると、なるほど子供の手が地上に届かないほど、かなり深いものであった。
「長いこと助けを待っていたら、そこへケロさんたちがやってきて、俺を穴の中から助け出してくれたんだ」
「デカオくんを助けて、この部屋から出ようとしたら、さっきのお人形たちに襲われたってわけだったのよ」
「そうだったのか…………」
デカオとケロさんの説明を聞いて、熱斗は納得してうなずく。
「まったく、アンタって人はどこまで人騒がせなのよ。……ま、無事で何よりだけどね」
「めんぼくねぇ…………」
やいとの言葉に、デカオがすまなそうにうなだれる。
「! 熱斗、これをみて」
手当てを終えたメイルが、床に落ちて壊れた人形を指差す。
粉々になった人形の頭の中から、あの超小型ドローンとよく似た形の装置が転がり落ちていた。
『この受信装置で、こいつを動かしていたんだね』
「うん、そしてこいつを遠隔操作で動かしている奴がこの家のどこかにいるんだな?」
熱斗とロックマンが画面越しにうなずきあう。
「あのう…………」
メガネの女性が、熱斗におずおずと話しかける。おそらくケロさんたちを探しにいったスタッフとは彼女のことであろう。
「……私、さっき西側の一番奥の部屋で妙なものを見かけましたけど……」
「え、それ本当?」
「は、はい…………暖炉の上になんか大きな箱が置いてあって、赤いランプがチカチカ光っていたんです。
その時はラジオかなんかだと思って、その部屋を出たのですが……」
『たぶん、それは無線LAN装置の本体だね』
女性の証言にロックマンがつぶやく。
「よし、そこへ行ってみよう!」
熱斗は立ち上がって、部屋のドアへ向かう。
「あっ、熱斗! 何処へ行くの?」
メイルが叫んだ。
「メイル、やいと。お前らはデカオとケロさんたちを連れて、先にこの家から出ろ」
「熱斗はどうするつもりなの?」
「俺は、こんなふざけた騒ぎを起こした奴をつきとめにいく。頼んだぜ、メイル」
「熱斗…………あんまり無茶しないでね」
「ああ、わかってるよ。 いくぜ、ロックマン!」
『うんっ!』
そういうなり、熱斗は部屋を勢いよく飛び出していった。
#ロックマンエグゼ #ロックマンシリーズ
#5 奇怪怪々 怪奇現象! |目次 | #7 《幻影の魔王》の挑戦!