魚座鉱脈
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たとえばこんな世にも奇妙な物語
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#8 絶体絶命! どうするロックマン!?
「ははははーーーー!! どうだ、手も足もでまい!?
我が剣の錆となれ、ロックマン!!」
鏡の中の剣の攻撃はなおも、ロックマンを一方的に攻撃する。
「あうっ、ぐっ…………」
ロックマンのHPがどんどん削られていく。
『ね、熱斗く…………ん』
(くそっ、どうすればいいんだ!?)
熱斗があせりの表情を浮かべる。
反撃しようにも、ロックマンを回復させるのに精一杯である。
そうこうしていくうちに、回復チップが尽きてしまった。
他のチップのストックが全部無くなるのも、時間の問題であろう。
『うう………………』
HPが100を切った。
もはやロックマンは、立っていることさえできない、ボロボロの状態であった。
「ちくしょう、このままじゃロックマンが…………ん? これは!?」
熱斗は、わずか手元に残っているチップの中の一枚を見る。
「待てよ? ………………これならば、勝てるかも」
迷わず、そのチップをPETのスロットに差し入れた。
「熱斗君、このチップは……?」
ロックマンは、モニターの向うの熱斗を見つめる。
熱斗のその目つきは、真剣そのものであった。
「…………わかったよ、熱斗君」
彼の考えを悟ったのか、ロックマンはうなずき目を閉じて身構えた。
「ふん…………もう万策が尽きたか?」
再び鎧をまとったナビの姿で現れたミラージュマンが、あざ笑いの笑みを浮かべる。
が、ロックマンは何もいわず、そのままじっとして立っている。
その姿は、なす術もなく途方にくれているように見えた。
「…………どうやら、あの世へ行く覚悟ができたようだな。ならば、とどめを刺してくれるわっ!!」
再び何枚もの鏡が、ロックマンの周囲をぐるっと取り囲む。
熱斗は何も言わず、ただただPETのモニターを食い入るように見つめていた。
反撃のチャンスは、たった一度だけ。
これで外したら、確実にデリートされてしまう。
でも、いちかばちかやってみるしかない…………。
「これでデリートだ、ロックマンッッ!!!
<ミラージュブレイド>!!!!!」
姿なきミラージュマンの勝利を確信した叫びとともに、
鏡の中から、無数の剣が串刺しにせんとばかりにロックマンに襲い掛かる。
危うし、ロックマン!
『今だ!ロックマン!!!』
熱斗の叫びと同時にロックマンの両目がカッと見開く。
シャキーーーーーンン!!!!!
一筋の白い刃が、虚空を凪いだ。
「!!!???」
ミラージュマンが、声なき驚愕の声を上げる。
ロックマンの回りを取り囲んでいた鏡が、あっという間に幻のごとく消えた。
ただひとつを残して。
「そ、それは…………<イアイフォーム>?!」
ひとつだけ残った鏡の中から、ミラージュマンの声が聞こえる。
ロックマンの手には、一振りの刀が握られていた。
<イアイフォーム>。
自エリアに侵入した敵を、一瞬のうちに切り捨てる攻撃チップ。
しかし、発動するタイミングが難しく、それが少しでも遅れると敵の攻撃を受けてしまう、まさに一撃必殺のチップである。
『危なかったな、ロックマン。このチップをフォルダに入れておいて正解だったぜ』
「うん。鏡のどれかにミラージュマンの本体が隠れていることに熱斗君が気づいてくれなかったら、もうだめだったかもね……」
熱斗の言葉に、ロックマンがつぶやく。
そう、ただじっと立ち尽くしていたのではない。
<ミラージュブレイド>が繰り出されている瞬間、分身にまぎれこんでミラージュマンの本体が攻撃を仕掛けるほんのわずかな隙を狙って、待ち構えていたのだ。
「お、おのれ………………」
ビシッビシッビシィィィ!!!
鏡―――ミラージュマンに亀裂が走る。
パリィィーーーーン!!!
あっという間に、ミラージュマンの体が砕け散っていく。
――――だが。
どういうわけか、その破片の数々は消えずに、静止画像のごとく宙に浮いていた。
「なに!?」
『こいつ、まだデリートしていないのか!?』
驚く熱斗とロックマン。
<フハハハハーーーー!! これしきのことで、私は死なんよ!!>
ミラージュマンの高笑いが轟く。
<この命に代えても、我が主のもとへは行かせん!
その命もらいうけるぞ、ロックマン!!>
その声とともに、禍々しく光る破片の数々が獲物を狙うピラニアのごとく一斉にロックマンに襲い掛かった。
「!!」
『危ないっ、よけろロックマン!!!』
熱斗が叫んだ。
#ロックマンエグゼ
#ロックマンシリーズ
#7 《幻影の魔王》の挑戦!
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目次
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#9 思わぬ好敵手の登場
たとえばこんな世にも奇妙な物語
2025.3.12
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「ははははーーーー!! どうだ、手も足もでまい!?
我が剣の錆となれ、ロックマン!!」
鏡の中の剣の攻撃はなおも、ロックマンを一方的に攻撃する。
「あうっ、ぐっ…………」
ロックマンのHPがどんどん削られていく。
『ね、熱斗く…………ん』
(くそっ、どうすればいいんだ!?)
熱斗があせりの表情を浮かべる。
反撃しようにも、ロックマンを回復させるのに精一杯である。
そうこうしていくうちに、回復チップが尽きてしまった。
他のチップのストックが全部無くなるのも、時間の問題であろう。
『うう………………』
HPが100を切った。
もはやロックマンは、立っていることさえできない、ボロボロの状態であった。
「ちくしょう、このままじゃロックマンが…………ん? これは!?」
熱斗は、わずか手元に残っているチップの中の一枚を見る。
「待てよ? ………………これならば、勝てるかも」
迷わず、そのチップをPETのスロットに差し入れた。
「熱斗君、このチップは……?」
ロックマンは、モニターの向うの熱斗を見つめる。
熱斗のその目つきは、真剣そのものであった。
「…………わかったよ、熱斗君」
彼の考えを悟ったのか、ロックマンはうなずき目を閉じて身構えた。
「ふん…………もう万策が尽きたか?」
再び鎧をまとったナビの姿で現れたミラージュマンが、あざ笑いの笑みを浮かべる。
が、ロックマンは何もいわず、そのままじっとして立っている。
その姿は、なす術もなく途方にくれているように見えた。
「…………どうやら、あの世へ行く覚悟ができたようだな。ならば、とどめを刺してくれるわっ!!」
再び何枚もの鏡が、ロックマンの周囲をぐるっと取り囲む。
熱斗は何も言わず、ただただPETのモニターを食い入るように見つめていた。
反撃のチャンスは、たった一度だけ。
これで外したら、確実にデリートされてしまう。
でも、いちかばちかやってみるしかない…………。
「これでデリートだ、ロックマンッッ!!!
<ミラージュブレイド>!!!!!」
姿なきミラージュマンの勝利を確信した叫びとともに、
鏡の中から、無数の剣が串刺しにせんとばかりにロックマンに襲い掛かる。
危うし、ロックマン!
『今だ!ロックマン!!!』
熱斗の叫びと同時にロックマンの両目がカッと見開く。
シャキーーーーーンン!!!!!
一筋の白い刃が、虚空を凪いだ。
「!!!???」
ミラージュマンが、声なき驚愕の声を上げる。
ロックマンの回りを取り囲んでいた鏡が、あっという間に幻のごとく消えた。
ただひとつを残して。
「そ、それは…………<イアイフォーム>?!」
ひとつだけ残った鏡の中から、ミラージュマンの声が聞こえる。
ロックマンの手には、一振りの刀が握られていた。
<イアイフォーム>。
自エリアに侵入した敵を、一瞬のうちに切り捨てる攻撃チップ。
しかし、発動するタイミングが難しく、それが少しでも遅れると敵の攻撃を受けてしまう、まさに一撃必殺のチップである。
『危なかったな、ロックマン。このチップをフォルダに入れておいて正解だったぜ』
「うん。鏡のどれかにミラージュマンの本体が隠れていることに熱斗君が気づいてくれなかったら、もうだめだったかもね……」
熱斗の言葉に、ロックマンがつぶやく。
そう、ただじっと立ち尽くしていたのではない。
<ミラージュブレイド>が繰り出されている瞬間、分身にまぎれこんでミラージュマンの本体が攻撃を仕掛けるほんのわずかな隙を狙って、待ち構えていたのだ。
「お、おのれ………………」
ビシッビシッビシィィィ!!!
鏡―――ミラージュマンに亀裂が走る。
パリィィーーーーン!!!
あっという間に、ミラージュマンの体が砕け散っていく。
――――だが。
どういうわけか、その破片の数々は消えずに、静止画像のごとく宙に浮いていた。
「なに!?」
『こいつ、まだデリートしていないのか!?』
驚く熱斗とロックマン。
<フハハハハーーーー!! これしきのことで、私は死なんよ!!>
ミラージュマンの高笑いが轟く。
<この命に代えても、我が主のもとへは行かせん!
その命もらいうけるぞ、ロックマン!!>
その声とともに、禍々しく光る破片の数々が獲物を狙うピラニアのごとく一斉にロックマンに襲い掛かった。
「!!」
『危ないっ、よけろロックマン!!!』
熱斗が叫んだ。
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